文字サイズ 大小

【新刊紹介】葬儀業 変わりゆく死の儀礼のかたち 玉川貴子著

令和6年08月26日付 6面

人生の最期を迎へる前に 葬送儀礼のあり方考へる

 「変わりゆく」といふ言葉で示されてゐるやうに、葬儀の容態は不変ではない。筆者がかつて葬儀社に務めてゐた十年以上前は、親類縁者だけでなく友人・知人や会社の関係者なども参列するいはゆる「一般葬」ではなく、故人の家族やごく親しい人だけに参列してもらふ「家族葬」が増えてゐるといふ声をよく耳にした。では一般葬が主流だった頃の葬儀はどのやうな形だったのか、あるいはなぜ葬儀の形が変化していったのか。さういったことの流れを把握するうへで、本書は広く参考にできる好著だ。

 超高齢化社会といはれる昨今、人の死に関はる機会は職や立場を問はず増加することが考へられる。「家族が危篤だ」といふ氏子などから今後について相談をされる時の状況もさまざまかもしれない。そんな時に備へるため、本書は一助となるだらう。
〈税込1100円、平凡社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉(嶋)
関連書籍
[31120048] 葬儀業‐変わりゆく死の儀礼のかたち 新刊 おすすめ
円(本体価格 1,000円+税)
玉川 貴子 / 平凡社
詳細

読書 一覧

>>> カテゴリー記事一覧