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【新刊紹介】大阪天満宮と天神祭 高島幸次著

令和6年10月07日付 6面

伝統の在り方から 神社と祭礼を知る

 天神祭とは、大阪市北区・大阪天満宮で七月に斎行される祭礼である。二十五日に「本宮」があり、神霊を奉安した鳳輦に地車や神具・牛車・旗・鉾などが供奉する陸渡御がおこなはれ、三千人余りの大行列が氏子区域を進む。夜には大川(旧・淀川)で百隻余りの船が行き交ふ船渡御があり、水面に篝火や提灯の灯りが映るほか、奉納花火が夜空を彩る。本書は、平安時代に始まったとされる天神祭を中心に、同宮の歴史を踏まへつつ、大阪の天神様の魅力に迫った一冊である。
 龍谷大学エクステンションセンター顧問や、大阪天満宮文化研究所所長などを歴任する著者が着目した主な視点は二つ。伝承をどう取り扱ふかといふことと、祭礼の賑はひを支へる原動力は何かといふことである。

 本書は大阪天満宮及び天神祭の書籍でありながら、神社の護持運営と祭礼の継承全般に関はる大きな命題を内に祕めた一冊といへる。
〈税込2200円、創元社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉(裕)
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