文字サイズ 大小

【新刊紹介】「地域おこし協力隊」は何をおこしているのか? 移住の理想と現実 田口太郎著

令和6年10月07日付 6面

実践経験を踏まへて 種々のヒントを提供

 著者は神奈川県の湘南で生まれ育ち、大学で都市計画を専攻。当時、指導教員らとともに全国で最も人口の少ない山梨県南巨摩郡早川町に伺ったことを転機に、より健全で持続可能な地域づくりといふテーマに関心を高める。
 現在は徳島大学の研究者として、徳島の小さな村で家族と暮らしつつ、都市と地方の両方の視点から、実践経験を踏まへた地域づくりといふ研究に取り組んでゐる。その活動の一環として最も注目してゐるのが、いはゆる“人を送る”公共事業である「地域おこし協力隊」だ。

 著者は、地域はその運営のために、常に人々が関はり合ふことで地域性が育まれることを解説。各々の“地域をもっと良くしていきたい”といふ共通の思ひを大切にして、理想と現実の間を埋める良い落し所を探っていく地道な取組みの継続が、みんなの幸せを作り出していくとも語る。
 私が運営する一般社団法人第二のふるさと創生協会も、“神社に対する関係人口”を増加させる一助となりたいといふ思ひから活動してゐる。共に考へ、共に行動していくために、本書は一つの示唆をいただける名著としてお勧めしたい。
〈税込1485円、講談社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(東京・瀬田玉川神社禰宜、一般社団法人第二のふるさと創生協会代表理事 髙橋知明)
関連書籍
[30480167] 「地域おこし協力隊」は何をおこしているのか? 移住の理想と現実 新刊 おすすめ
円(本体価格 1,350円+税)
田口 太郎 / 星海社新書
詳細

読書 一覧

>>> カテゴリー記事一覧