【新刊紹介】菅原道真 神になった天才詩人 大隅清陽著
令和6年11月18日付
6面
歴史の流れのなかで 人物を考へる醍醐味 山川出版社の「日本史リブレット 人」シリーズから、このほど『菅原道真』が刊行された。同シリーズは『卑弥呼と台与』から『東条英機』まで全百巻を通じて「人」から日本史を概観する試みといへる。発刊は現在も継続中。本書は菅公こと菅原道真公の歩んだ道程について、死後の天神信仰の発生、そして北野社が二十二社に加はるまでを最新の研究成果も踏まへて追ふ一冊である。
死後も含め、その人物と人生が魅力的な菅公。それは信仰の高まりも相俟って伝へられてきた豊富な伝記や史料に裏打ちされたものである。本書は、さうした史料を基に織り成された「物語」を通じて「歴史の大きな流れのなかで人物を考えることの醍醐味」を感じる一冊といへよう。
〈税込880円、山川出版社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉(衣)
読書 一覧