【新刊紹介】采女 なぞの古代女性 地方からやってきた女官たち 伊集院葉子著
令和6年11月18日付
6面
実証的な新知見で 采女の実像に迫る 本書で著者は、新しい研究成果をとり入れつつ『日本書紀』の記述を吟味し、采女を分析した。その上で「『日本書紀』に刻印された采女像―幻想の采女と言うべきものだが―を分析し、実像の采女像に迫っていく作業だった」と述懐してゐる。
また、著者は折口信夫の民俗学的なアプローチを批判する。
実証的な新知見をふんだんに配して、采女の実像に迫った名著である。
〈税込1870円、吉川弘文館刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(福島・安積國造神社宮司 安藤智重)
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