【新刊紹介】水と人の列島史 農耕・都市・信仰 松木武彦・関沢まゆみ編
令和6年11月25日付
6面
日本の宗教文化での 水の役割を多角的に 本書は、列島で水田稲作が開始された弥生時代からの水利用と治水、信仰・儀礼を多方面から分析したもので、国立歴史民俗博物館が実施した基幹研究「水と人間の日本列島史」で取り組まれた考古学・歴史学・民俗学三学協働による学術研究成果の一部である。
内容は、大きく「第Ⅰ部 権力・都市と水」と「第Ⅱ部 信仰・儀礼と水」に分かれ、第Ⅰ部は第一章の「弥生時代の水田稲作」から「水から読み解く古墳の世界観」「都市の形成と水の管理」「ため池の造営伝承と記録」「琉球諸島における水・農耕・王権」までの計五章とコラム二本、第Ⅱ部も第一章の「水からみた日本古代国家」から「神社と水」「葬墓と水」「沖縄の井戸と祭祀」までの計四章とコラム一本が配されてゐる。
神社と水の歴史など列島の宗教文化における水の役割を多角的に考察したものである。
〈税込2530円、吉川弘文館刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(三重県埋蔵文化財センター所長・穂積裕昌)
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