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【新刊紹介】終わりは次のはじまり 熱田神宮創祀千九百年記念―造営事業の回顧― 小久保雅広著

令和7年01月13日付 6面

造営事業のほか 精神が窺へる書

 第六十三回神宮式年遷宮の御聴許を拝した令和六年、伊勢の神宮と極めて近しい“お社柄”の熱田神宮の創祀千九百年記念造営事業の回顧を記した本書が上梓された。

 著者は平成二年から熱田神宮に奉仕され、同十六年に新設された造営準備室で係長を、同十八年に記念造営事業を専門に担当する造営事業部で造営事業課造営事業係長を務められ、造営事業終了後には記録誌『記念誌』『造営誌』の発刊にも携はられた。そのなかにあっては記録誌といふ“公”となる刊行物への詳細な記載を憚る事案も多かったといふ。書名の「終わりは次のはじまり」に示されてゐるやうに「先人から受けた恩を次世代へ正しく“受け継ぎ伝える”ことが使命」との思ひから、本書はそれらを補完するものとして発刊された。

 著者は今後の造営に携はったり、熱田神宮を奉護したりする多くの後輩の一助となればと記されてゐるが、同書はそこに当てはまらない方にとっても熱田神宮の御社殿や造営事業について知るとともに、その精神について学ぶものとなるのではないだらうか。
〈非売品だが、若干の残部がある。問合せは熱田神宮禰宜の著者・小久保雅広氏(電話〇五二―六七一―四一五一)まで〉(隈)

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