【新刊紹介】出雲神話 松前 健著
令和7年01月20日付
6面
出雲の重要性知る 必要不可欠な一冊 出雲神話の実態を解明することは難しいとされてゐます。これは、神話の中心に存在する大己貴神がいくつもの名をもつやうに、さまざまな要素が重なり合って物語が構成されてゐるためと推測できます。このやうに複雑な構造を持つ出雲神話について考へるとき、松前健氏の著作を読むことは、必要不可欠であるといへるのではないでせうか。
本書は、昭和五十一年に講談社現代新書として刊行されましたが、今回の文庫化にあたり、書誌情報などが最新版に改訂されました。
本書の刊行によって、日本の神話に向き合ひ続けた筆者の「出雲神話」に対する理解が、より手に取りやすい形になったといへます。「出雲神話」について改めて考へ、古代に思ひを馳せてみる絶好の機会といへるでせう。
〈税込1078円、講談社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(國學院大學大学院博士課程後期・声優 中山さら)
◎
関連書籍
[30480168]
出雲神話
円(本体価格 980円+税)
著:松前 健 解説:三浦 佑之 / 講談社学術文庫
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