【新刊紹介】修験道大系 歴史・思想・儀礼 宮家 準著
令和7年03月17日付
6面
修験道研究の3部作 「ダイジェスト」に かつて修験道を主題とする研究は少なく、仏教史の一部として扱はれてきた。本格的な修験道研究は宇野圓空が先鞭をつけ、和歌森太郎、堀一郎、岸本英夫、五来重らが続いた。さうしたなか昭和四十年頃より著者が『修験道儀礼の研究』をはじめとする修験道研究を大きく飛躍させる研究成果を発表しはじめる。
数ある著書のなかでも『修験道儀礼の研究』『修験道思想の研究』『修験道組織の研究』はとくに「三部作」と呼ばれ、必読の先行研究とされる。
本書は「序」に記されてゐるやうに三部作の「一般むけのダイジェスト版ともいえるもの」であって、第一部は組織、第二部は思想、第三部は儀礼をもとにしてゐる。しかし事務的に要約したものではなく、最新の研究成果も取り入れた上でわかりやすく再構築されてゐる。
〈税込3300円、春秋社刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(静岡・秋葉山本宮秋葉神社権宮司 河村忠伸)
読書 一覧