【新刊紹介】栃木県山岳誌 山の信仰と山民の暮らしをとく 柏村祐司著
令和7年11月10日付
6面
山野を踏査した者のみが 語り得る山岳信仰の現実 今回紹介する書籍『栃木県山岳誌 山の信仰と山民の暮らしをとく』は多様な切り口で山を説き、登山といふスポーツを楽しむ道筋を示してくれ、私たちを新たな世界へと誘ってくれる。
著者の柏村氏は高校時代に山岳部に入部して以来、長年に亙り登山に親しむ一方、民俗学担当の博物館学芸員としての研究実績も積んでゐる方。とくに山村におけるフィールドワークから得られる数々の知見は、現地に足繁く通ひ続けなければ収集することのできない貴重な実践知に富んでをり、読む者を魅了する。
季節が移ろひ、次に栃木の山に登ることがあれば、その時は本書をザックにそっとしのばせて行かう。まだ見ぬ世界に私を導いてくれる羅針盤として。
〈税込2200円、随想舎刊。ブックス鎮守の杜取扱書籍〉
(全国教育関係神職協議会理事、群馬県山岳連盟指導委員 山田精一)
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