論説
衆院選投票に向けて 高市政権の長期安定化を
令和8年02月02日付
2面
衆議院議員の総選挙は、二月八日の投開票を前に、各候補者が真冬の寒いなかで熱い戦ひをくり広げてゐる。
敢へて通常国会冒頭のこの時期を選び、電撃的な早期解散に踏み切ったのには、今後の政局を睨んだ高度な政治判断があったと考へねばならない。そこからは、国政を担ふ高市早苗首相の並々ならぬ使命感とともに、中長期を見据ゑた戦略に基づく決断と覚悟のほどが窺へる。高市政権の継続と長期安定を願ふ我々は、志を同じくする神道政治連盟の推す候補者の支援に努め、近年の選挙において他の諸政党に流れた有権者の票を取り戻し、かつての安倍晋三政権時代に近づく勢力の挽回を目指さなければならない。
石破茂前首相のもとでの令和六年の衆院選、また昨夏の参院選でも自由民主党は大きく議席を失って大敗した。しかし昨年十月に高市首相が日本の憲政史上初めての女性宰相となってからは、気風が一変して随分と明るさが戻ってゐる。二十六年間続いた公明党との協力関係を解消し、新たに日本維新の会と連立政権合意書を交はした自民党は、本来のあるべき保守党に立ち戻ることになった。合意書には、わが国にとって大事な中長期に亙る内政及び外交・安全保障、それに皇室典範や憲法の改正など国の根幹に関はる重要課題が明記されてゐる。その遂行・実現には、衆議院で自民党が単独過半数以上の勢力基盤を確保しておくことが重要である。早期の解散により国民に信任を求めたのは、それが目的だったといへよう。
○ 一方野党の方でも電撃解散を受けて急遽、立憲民主党と公明党が合流。「生活者ファースト」を掲げて「中道改革連合」を結成し、総選挙に臨むこととなった。しかし解散前日に結党大会を開くといふ慌ただしさで、綱領と基本政策を発表したものの、それぞれの理念や政策の違ひを詰める時間的余裕がなく不透明な部分が残る。立民の野田佳彦氏と公明の斉藤鉄夫氏が共同代表に就任してゐるが、幹事長や主要役員もほとんどを両党それぞれから選出するといふ複数体制のままだ。さらに参議院と地方議会では両党がそのまま存続し、完全合流には至ってゐない。
とはいへ各々の支持母体である日本労働組合総連合会(連合)と宗教法人創価学会の二つの組織票が合はさって中道に投じられると、自民党の被るダメージはかなり大きいと予想される。もし中道が勝利して比較第一党ともなれば、政権交代が起こり得る。それゆゑ今回の総選挙は自民党と中道との二大政党による政権選択選挙の様相を呈してきたといへるであらう。
○ 今回の総選挙は、世界の安全保障環境が予測不可能となり、ますます悪化していくなかでおこなはれる。我々が戦後の平和と安全を託してきた国際連合は今や機能不全に陥り、戦後の国際秩序や国際法が米国やロシア・中国など大国のリーダーたちによっていとも簡単に蹂躙されていくのを、日々目の当たりにさせられてゐる。各国は自国第一主義に向かひ、国益の追求と力による現状変更を目指して軍事力の増強を競ひ合ひ、同盟国にもそれを要求する時代となった。とりわけわが国に対する米国の軍事費増額要求と中国の軍事的脅威は、今後も強まっていくに違ひない。
自分の国は自分で守るしかないとはいへ、自国で食料もエネルギーも調達できず輸入に頼るしかなく、自国防衛も自力でできない国にとって、取り得る選択肢は限られる。その困難で苦しい事情を知悉し、迅速かつ的確に、また毅然とした対応を講じ得るのはやはり高市首相だらう。今、彼女以外に政権を託せる政治家は見当たらない。
○ 幸ひなことに、高市首相は就任以来七〇%前後の高い支持率を維持し、とくに将来を担ふ若い世代からの人気が高い。また就任から三カ月余りで米・中・韓・伊など各国首脳と会談を重ね、外交的にも好感が持たれて成果を挙げてきた。政権選択選挙では、人物本位といふより政党本位の選挙となり、小選挙区では信任する政党が選んだ候補者に投票することとなる。目先の物価高対策ももちろん大切だが、それ以上に中長期の国難に立ち向かふ国家的視点が重視されねばならない。
現政権への支持が与党支持に結び付き、中長期の政策推進が可能となるやう政権基盤が強化され、その長期安定化が実現することを願って已まない。
令和八年二月二日
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