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論説 建国記念の日 各地で国民斉しく奉祝を

令和8年02月23日付 2面

 今年も「建国をしのび、国を愛する心を養う」二月十一日の「建国記念の日」を迎へた。
 天皇陛下にはこの日、皇居内の宮中三殿に出御せられて御拝礼遊ばされるとともに、初代・神武天皇を奉斎する奈良・橿原神宮に勅使を御差遣。また、伊勢の神宮で建国記念祭が斎行されてゐるのをはじめ、全国各地の神社でも紀元祭が執りおこなはれてゐる。
 今後とも「建国記念の日」にあたり、神武天皇建国の鴻業を仰ぎ、いよいよ民族の自覚を深め愛国の意識を新たにし、以て皇運の隆昌と国威の発展とを祈りたい。


 この日都内では、神社本庁も参画する「日本の建国を祝う会」が奉祝記念行事を挙行。生憎の雨天とはなったが、午前には代々木公園通りでの神輿渡御や表参道でのマーチングなど奉祝パレードがおこなはれ、賑やかに「建国記念の日」を奉祝した。また午後の中央式典では、例年同様に来賓として自由民主党と日本維新の会、在日外交団の代表から祝辞が寄せられたのに加へ、とくに今年は木原稔内閣官房長官や、かねて奉祝パレードの会場で挨拶してきた片山さつき財務大臣も登壇し、それぞれ祝意を表してゐる。
 さらに式典後には産経新聞論説委員の阿比留瑠比氏が「高市政権と日本のこれから」と題して記念講演をおこなひ、去る二月八日に投開票のあった第五十一回衆議院議員総選挙の結果などに触れた上で、国内外に課題が山積する現状を憂慮。政権基盤を確乎たるものとした高市早苗首相の今後の活躍への期待を語り、大いに会場の聴衆を沸かせた。
 この中央式典だけでなく、全国各地でも神社関係者など参画のもと「建国記念の日」の式典・行事が開催されてゐる。かうした式典・行事が、引き続き多くの老若男女の参加のもと各地で盛大に開催され、神武創業の古を偲びつつ、わが国のあり方を考へる機会となることを期待するものである。


 都内における中央式典では、「あらためて政府主催による奉祝行事の挙行を強く求める」ことを盛り込んだ決議が採択され、その決議文は出席した自民党・維新の会の代表へと託された。
 振り返れば平成二十五年の中央式典に際しては、自民党を代表して政務調査会長を務めてゐた高市氏が出席。前年の式典において、当時の谷垣禎一総裁が「本式典を政府主催で開催する」と述べたことに触れた上で、「その決意は先の総選挙での政権公約にも明記した国民との約束でもあり、政府と調整の上で実現に向けて準備したい」との思ひを語ってゐた。
 阿比留氏も記念講演で指摘したやうに、高市政権が取り組むべき課題は多い。国民の多くが関心を寄せる物価高対策をはじめ、かねて高市首相自身が掲げる責任ある積極財政、安全保障政策の抜本的強化、政府のインテリジェンス機能の強化、さらに斯界も訴へ続けてきた男系による皇位の安定的継承に向けた法整備や憲法改正など、国の根幹に関はる重要な案件が山積してゐる。
 高市政権に対する我々の期待は大きい。ただし当面する課題や「建国記念の日」をめぐるこれまでの経緯等を顧みれば、政府による神武天皇建国の意義を踏まへた建国記念の日奉祝行事の開催は、一朝一夕に実現するほど簡単ではないのかも知れない。今回の衆院選後、「私は挑戦を恐れません。ぶれません。決断して実行してまゐります。日本と日本人の底力を信じてやまない者として、国民の皆様とともに新たな挑戦へと踏み出します」と語った高市首相を、引き続き強力に後押ししていくことが重要だ。


 報道によれば当日は、政治的な立場や思想的な背景の相違などから、二月十一日を「建国記念の日」として奉祝することなどをめぐり、いはゆる反対派による集会も催されてゐる。昨年は大東亜戦争終結八十年の節目にあたったが、例へばさうした敗戦の悲劇の責任・原因は、戦前の「紀元節」やいはゆる「国家神道」に押し付けて済ませられるほど単純ではなく、そのやうな安易な議論では広範な理解や共感を得ることは難しいだらう。
 「建国記念の日」にあたり、国民斉しく「建国をしのび、国を愛する心を養う」ためにも、政府による奉祝行事の挙行に向けて、さらなる啓発活動などの環境整備に努めたいものである。
令和八年二月二十三日

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